AI × 開発効率化ChatGPT / GPT / OpenAI

ChatGPT・GPT モデル進化の年表|2018年から2026年8月まで


OpenAI の ChatGPT と GPT モデルの進化を、新しい順に整理しました。2026 年 8 月の次期主要モデル Astra の予告と GPT-5.6 更新(無料プランのテキスト対話の無制限化・Sol の期間限定値下げ)、7 月 9 日の一般提供開始、GPT-5.5(2026 年 4 月)から、GPT-5.x 系列、o1・o3 などの reasoning モデル、GPT-4o(2024 年 5 月)、ChatGPT 公開時の GPT-3.5(2022 年 11 月)、初期の GPT-1 / 2 / 3 まで、主要マイルストーンを並べています。

公開2026.05.09
最終更新2026.09.02
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AI × 開発効率化ChatGPT・GPT モデル年表

ChatGPT / GPT モデル
進化の年表

C
本記事の結論
新しい順に読む年表

OpenAI の ChatGPT と GPT モデルは、2018 年の GPT-1 から 2026 年の GPT-5.5 まで、 基盤モデル世代と reasoning モデル(o-series)、Codex 系のコーディングエージェントが入り混じりながら進化を続けています。 本記事は、その主要マイルストーンを年表形式で 1 か所に集約しました。

01.時系列アップデート

GPT モデルの進化は、基盤モデル世代の更新(GPT-3 → 3.5 → 4 → 4o → 5 → 5.5)と、 reasoning に振った別系列の o-series(o1 / o3 / o4-mini)、コーディング特化の Codex 系列が、 互いに補完しながら進んでいます。いずれか一系列だけを追っても全体像が見えにくいので、 本記事ではモデルと製品(ChatGPT / Codex / 各種 API)を同じ時間軸で並べています。 まず以下の二軸タイムラインで全体像を確認してください。

図:GPT モデルと ChatGPT / 製品エコシステムの二軸進化(新しい順)
モデル(GPT / o-series)
時期
ChatGPT / 製品エコシステム
GPT-5.6 Sol / Luna(更新版)・次期モデル Astra の予告
2026.08
テキスト対話の無制限化・Sol の期間限定値下げ・Atlas 停止・o3 引退
GPT-5.6 Sol / Terra / Luna
2026.07
一般提供(GA)・ChatGPT Work
GPT-5.6 Sol / Terra / Luna
2026.06
限定プレビュー(新しい命名体系)
GPT-5.5 Instant
2026.05
ChatGPT 既定モデル(全ユーザー)
GPT-5.5 / GPT-5.5 Pro
2026.04
ChatGPT / API(GPT-5.5)
GPT-5.3-Codex
2026.02
Codex(IDE / CLI / Cloud)
GPT-5.2 / GPT-5.2-Codex
2025.12
Code Red 体制での前倒し公開
GPT-5.1 / GPT-5.1-Codex-Max
2025.11
ChatGPT パーソナリティ / 長時間 Codex
GPT-5-Codex
2025.09
Codex 専用最適化版
GPT-5
2025.08
ChatGPT / API / GitHub Models
2025.05
Codex Cloud(research preview / codex-1)
GPT-4.1 / o3 / o4-mini
2025.04
Codex CLI(オープンソース)
GPT-4.5(Orion)
2025.02
o3-mini
2025.01
o1(一般公開)
2024.12
ChatGPT Pro 開始
o1-preview / o1-mini
2024.09
GPT-4o
2024.05
GPT-4 Turbo(128K)
2023.11
DevDay 2023
GPT-4
2023.03
Codex API 廃止
GPT-3.5
2022.11
ChatGPT 公開
Codex(GPT-3 ベース)
2021.08
GitHub Copilot の基盤に採用
GPT-3
2020.06
GPT-2
2019.02
GPT-1
2018.06

オレンジで強調した行は、当年表でとくに節目とする出来事です(ChatGPT 公開・GPT-4o・GPT-5・GPT-5.5・GPT-5.6 一般提供)。

モデル世代の進化は、コーディング性能の代表ベンチマークSWE-bench Verifiedのスコア推移にも反映されています。 2024 年 5 月の GPT-4o(33.2%)から、2025 年 12 月の GPT-5.2 Thinking(80.0%)まで、約 1 年半でスコアは 2.4 倍に伸びました。reasoning モデル o1(2024 年 12 月)以降、毎四半期おきに 10 ポイント前後ずつ更新が積み上がっている形です。 最新の GPT-5.5(2026 年 4 月)・GPT-5.6(2026 年 7 月一般提供)は、いずれも OpenAI 公式発表が SWE-Bench Pro や Terminal-Bench を中心に公表しており、SWE-bench Verified の同一基準値が 公表されていないためチャートからは除外しています。

図:OpenAI モデルの SWE-bench Verified スコア推移(出典:OpenAI 公式発表)
起点
33.2%
2024.05 / GPT-4o
最新
80.0%
2025.12 / GPT-5.2 Thinking
スコア倍率
×2.4
2024.052025.12
2024.05
GPT-4o
2024.12
o1
2025.04
o3
2025.08
GPT-5
2025.12
GPT-5.2 Thinking

SWE-bench Verified は 500 件のソフトウェア工学タスクで、AI が GitHub Issue を解決できるかを測るベンチマークです。各スコアはモデル発表時の OpenAI 公式値(スコアをクリックで該当ページへ)。

Anthropic の Claude / Claude Code 側の進化、コーディングエージェント Codex 単体の進化は、別記事にまとめています。

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02.2026 春〜夏:GPT-5.6 の一般提供・更新と GPT-5.5

4 月:フラッグシップ GPT-5.5

2026 年に入ってからは、Codex 系列の更新が先行し、4 月にフラッグシップの GPT-5.5 が公開されました。 GPT-5.5 は OpenAI が「最も賢く、最も直感的に使えるモデル」と位置づけ、 コード生成・デバッグ・オンラインリサーチ・ドキュメント作成を 1 つのワークフロー上で完結させる方向に振っています。 5 月にはこの GPT-5.5 を、ChatGPT の既定モデル(GPT-5.5 Instant)やスプレッドシートの作業面へと一気に広げました。 6 月 26 日には次世代の GPT-5.6 が限定プレビューとして公開され、7 月 9 日にChatGPT・Codex・API のすべてで一般提供(GA)が始まっています。8 月 6 日には ChatGPT 向けの GPT-5.6 が更新され、無料プランを含む 全ユーザーのテキスト対話が無制限になりました。

6〜7 月:GPT-5.6 と Sol / Terra / Luna の命名体系

GPT-5.6 で目を引くのは、数字(世代)と能力ティアを分ける新しい命名体系です。「5.6」が世代を表し、Sol(Sun)・Terra(Earth)・Luna(Moon)というティア名が、 知能・速度・コストの方向を示します。Sol には推論時間を最大化する max と、サブエージェントを束ねる ultra モードが加わりました。GA と同じ 7 月 9 日には、GPT-5.6 を基盤にした自律型エージェント ChatGPT Work や、ブラウザ Atlas の終了も発表されました。詳細は後述の関連記事にまとめています。

8 月:無料プランの無制限化と Sol の期間限定値下げ

8 月は、7 月に整えたラインナップを広げる月になりました。8 月 6 日の更新で無料・Go プランの 既定モデルが GPT-5.6 Luna に切り替わり、Plus / Pro には応答ごとに推論の強さを選ぶ 努力度スライダーが加わっています。8 月 21 日には GPT-5.6 Sol の API 料金が「今後 3 か月間」の期間限定で入力 $4・出力 $20 に引き下げられました。一方で、7 月に終了を決めたブラウザ Atlas は 8 月 9 日に停止し、 o3 は 8 月 26 日に ChatGPT から引退しています(API は対象外)。

8 月:次期主要モデル Astra の予告と「重大」水準の開示

8 月にはもう 1 つ、次の世代につながる発表がありました。8 月 1 日、OpenAI は数学・ 理論計算機科学の未解決問題 10 件を解いたとする研究記事を公開し、その成果を出したのが「次期主要モデル」Astra の社内版だと本文中で明かしました。証明は Lean(証明を機械的に検証できる言語)で形式化して公開され、 必要としたトークンの費用は GPT-5.6 Sol の API 料金換算で約 2,000 ドルでした。 Astra は Sol / Terra / Luna と並ぶ新しいモデルクラスという位置づけで、 最終的な名前が GPT-6 になるのか 5.x の枝番になるのかは示されていません。

ただし Astra は 8 月中に公開されませんでした。同じ 8 月上旬、OpenAI は社内の予備評価の結果として、 Astra が Preparedness Framework(OpenAI が重大リスクを段階評価する社内枠組み)の「重大(Critical)」なサイバー能力水準に当たる可能性を否定できないと公表しています。この水準は、未知の脆弱性を自力で見つけたり、 堅牢な標的への高度な攻撃を人の指示なしに計画・実行できたりする状態を指します。 OpenAI は隔離した検証環境・モデル重みの暗号化強化・監視の強化を先に整え、 政府機関や AI 安全団体と能力を検証してから提供判断に進むと説明しました。 これは OpenAI 自身の枠組みによる区分で、第三者が検証して認定したものではありません。

時期出来事ハイライト
2026 年 8 月 21 日GPT-5.6 Sol を期間限定で値下げ100 万トークンあたり入力 $5 → $4、出力 $30 → $20、キャッシュ済み入力 $0.50 → $0.40。 公式アナウンスの表現は「今後 3 か月間」で、API・Codex クレジット・ChatGPT Work が対象(出典:OpenAI 公式コミュニティのアナウンス
2026 年 8 月 13 日Ultrafast モードのプレビューCerebras の基盤で GPT-5.6 Sol を標準処理の最大 14 倍速・毎秒最大 750 出力トークンに。モデル自体は変わらず、API の限定プレビューとして提供
2026 年 8 月 6 日GPT-5.6 を更新・テキスト対話を無制限化無料 / Go の既定モデルが GPT-5.6 Luna に。Plus / Pro は更新版 Sol と努力度スライダー。 重要度の高い質問での事実誤り率は Sol・Luna とも GPT-5.5 Instant 比で約 60% 以上減(出典:OpenAI Deployment Safety Hub)。あわせてテキスト対話の回数制限を撤廃
2026 年 8 月上旬Astra が Critical 水準に当たりうると開示社内の予備評価で、Preparedness Framework の「重大(Critical)」なサイバー能力水準を現時点で否定できないと説明し、隔離環境での検証・重みの暗号化強化・監視強化を先行させると説明
2026 年 8 月 1 日次期主要モデル Astra の名称を公表数学・理論計算機科学の未解決問題 10 件を解いたとする研究記事の中で、成果を出したのが 「次期主要モデル」Astra の社内版だと明記。証明は Lean で形式化して公開し、 トークン費用は GPT-5.6 Sol の API 料金換算で約 2,000 ドル
2026 年 7 月 9 日GPT-5.6 が一般提供開始ChatGPT・Codex・API で一般提供(GA: General Availability)。料金はプレビュー時から変更なし。 同日 ChatGPT Work・統合デスクトップアプリを発表し、ブラウザ Atlas は終了
2026 年 6 月 26 日GPT-5.6 が限定プレビュー開始Sol / Terra / Luna の 3 ティア。世代=数字・能力=ティア名の新命名。Sol に max / ultra 推論
2026 年 5 月 5 日GPT-5.5 Instant を ChatGPT 既定モデルに全ユーザーへ展開。高難度プロンプトで GPT-5.3 Instant 比 52.5% 少ない誤情報(OpenAI 内部評価)
2026 年 5 月 5 日ChatGPT for Excel / Google Sheets が一般提供全プランで GA。GPT-5.5 駆動。金融データ連携も拡充
2026 年 4 月 23 日GPT-5.5 / GPT-5.5 Pro 公開SWE-Bench Pro 58.6%・Terminal-Bench 2.0 82.7%。コード・リサーチ・ドキュメントを横断する agentic な動作に対応
2026 年 2 月 5 日GPT-5.3-Codex 公開Codex 専用の最上位モデル。Cursor / VS Code に native 対応、Codex チーム自身がトレーニング・デバッグに活用

各月単位の OpenAI の発表は、別記事にまとめています。あわせてご覧ください。

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Codex 側の詳細は別記事にまとめています。

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03.2025 後半:GPT-5 と GPT-5.1 / GPT-5.2

2025 年 8 月の GPT-5 公開以降、OpenAI はマイナーバージョンを矢継ぎ早に更新しました。 とくに 12 月の GPT-5.2 は Google Gemini 3 Pro 公開を受けて社内で「Code Red」体制を敷き、 当初予定より 3 週間ほど前倒しで公開されたとされています。

時期出来事ハイライト
2025 年 12 月 11 日GPT-5.2 公開Instant / Thinking / Pro の 3 モード。Code Red 体制で前倒し公開
2025 年 11 月 19 日GPT-5.1-Codex-Max長時間タスクと token 効率を重視した agentic コーディング向けモデル
2025 年 11 月 12 日GPT-5.1 公開Instant / Thinking。8 種類のパーソナリティ選択を導入
2025 年 9 月 23 日GPT-5-Codex 公開Codex 専用最適化モデル。ChatGPT 経由と API 経由の両方で利用可能に
2025 年 8 月 7 日GPT-5 公開ChatGPT・API・GitHub Models で同時提供。SWE-bench Verified 74.9%

OpenAI 自身は GPT-5 を「即答と熟考を切り替える統合モデル」と位置づけており、 従来は別系列だった reasoning(o-series)と基盤モデル(GPT-x)を 1 つに統合する方向に進めています。 GPT-5.1 でパーソナリティ選択、GPT-5.2 で「Pro」ティアが整理され、用途別の使い分けが明確になりました。

04.2025 前半:reasoning モデル o3・o4-mini と GPT-4.1

2025 年前半は、o-series の本格展開と、コーディング特化の GPT-4.1 が同時に進んだ時期です。 4 月 16 日には o3 と o4-mini が公開されると同時に Codex CLI もオープンソースとしてリリースされ、 OpenAI の AI コーディングエージェント路線が明確になりました。

時期出来事ハイライト
2025 年 5 月 16 日Codex Cloud(research preview)公開クラウド環境で並列タスクをこなす agent。codex-1(o3 ベース)で稼働
2025 年 4 月 16 日o3 / o4-mini 公開、GPT-4.1 を API で公開reasoning と agentic tool use を強化。GPT-4.1 は最大 1M token の context window をサポート
2025 年 4 月 16 日Codex CLI(オープンソース)公開Rust で書き直された軽量ターミナルコーディングエージェント。npm からインストール可能
2025 年 2 月 27 日GPT-4.5(Orion)公開巨大事前学習モデルとして公開、後継世代である GPT-5 への橋渡し
2025 年 1 月 31 日o3-mini 公開o-series の小型・低コスト版。コーディング・数学に強み

この時期から、OpenAI のコーディングエージェント戦略はローカル CLI(Codex CLI)クラウド agent(Codex Cloud)の二系統に整理され、後の Codex IDE 拡張・GPT-5-Codex に繋がっていきます。

05.2024:GPT-4o と reasoning モデル o1 シリーズ

2024 年は、マルチモーダル統合モデル GPT-4o(5 月)と、新しい reasoning 系列 o1(9 月以降)の 2 つの大きな路線が同時に走り出した年です。12 月には ChatGPT Pro(月額 200 ドル)が登場し、 o1 pro mode が利用可能になりました。

時期出来事ハイライト
2024 年 12 月 5 日o1 一般公開・ChatGPT Pro 開始難問エラー率を 34% 削減、画像入力にも対応。月額 200 ドルの ChatGPT Pro で o1 pro mode 提供
2024 年 9 月 12 日o1-preview / o1-mini 公開回答前に「考える」reasoning モデル。複雑な推論・科学・コーディングで GPT-4o を上回る
2024 年 5 月 13 日GPT-4o 公開テキスト・音声・画像を 1 モデルで処理する omni モデル。リアルタイム音声会話に対応

o1 系列の登場は、その後の Anthropic Claude 3.7 Sonnet の extended thinking モード、 Google の Gemini 2.x reasoning モードへと業界全体に波及しました。 基盤モデルと推論モデルを別系列に置く設計は、2025 年 8 月の GPT-5 で 1 つに統合されることになります。

06.2022-2023:ChatGPT 公開と GPT-4 / GPT-4 Turbo

2022 年 11 月 30 日に公開された ChatGPT は、5 日で 100 万ユーザーに到達し、当時の最速普及記録となりました。 翌 2023 年 3 月の GPT-4 公開、11 月の GPT-4 Turbo 公開(128K context window)と、 OpenAI は基盤モデルの大型更新を 1 年強の間に立て続けに行いました。

時期出来事ハイライト
2023 年 11 月 6 日GPT-4 Turbo 公開(DevDay 2023)context window が 128K に拡張、価格は約 1/3 に。Assistants API も同時発表
2023 年 3 月Codex API 廃止GPT-3 ベースの旧 Codex モデルが API から退役。後継は GPT-4 系で対応
2023 年 3 月 14 日GPT-4 公開テキスト+画像入力、複雑な推論で GPT-3.5 を大きく上回る性能
2022 年 11 月 30 日ChatGPT 公開(GPT-3.5 ベース)Free research preview として一般公開。5 日で 100 万ユーザーを突破

ChatGPT の登場は、当時の AI ブームの起点となり、 Anthropic の Claude 公開(2023 年 3 月)、Google の Bard / Gemini 公開などの大型モデル発表が続く流れを作りました。

07.2018-2021:GPT-1 から GPT-3 までの基盤期

ChatGPT 公開以前の OpenAI は、研究色の強い言語モデル開発が中心でした。 2018 年の GPT-1 から、2020 年の GPT-3 まで、世代ごとにパラメータ数を桁違いに増やし、 2021 年には GitHub と提携して GitHub Copilot を立ち上げ、コード生成領域に進出しました。

時期出来事ハイライト
2021 年 8 月 10 日Codex(GPT-3 ベース)公開公開された GitHub リポジトリ 5,400 万件・159 GB の Python コードで追加学習。GitHub Copilot のテクニカルプレビューを支える
2020 年 6 月GPT-3 公開1750 億パラメータ。few-shot 学習で多様なタスクをこなす汎用性を示す
2019 年 2 月GPT-2 公開15 億パラメータ。当初は安全性配慮でフルモデル公開を段階リリース
2018 年 6 月GPT-1 公開(論文)Generative Pre-trained Transformer の原型。1.17 億パラメータ

Codex(2021)は GPT-3 を、公開 GitHub リポジトリ 5,400 万件から集めた 159 GB の Python コードで追加学習させたモデルで、当時の GitHub Copilot の基盤となりました。 この旧 Codex モデルは 2023 年 3 月に API から廃止され、その後 2025 年 4 月の Codex CLI で名前が再利用される形になります。

i
豆知識
OpenAI 設立と Elon Musk 氏の離脱:両者の主張

OpenAI は 2015 年 12 月、Sam Altman 氏(現 CEO)・Elon Musk 氏・Greg Brockman 氏・Ilya Sutskever 氏ら 11 名によって、 人類全体の利益となる AGI を開発する非営利団体として設立されました。 Musk 氏は設立資金の主要な出し手で、その後 2018 年 2 月に取締役を辞任して離脱しています。

OpenAI 側の主張: OpenAI が 2024 年 3 月・12 月に公開した当時のメールによれば、Musk 氏自身が 2015 年 11 月の段階で 「資金調達が 1 億ドル規模では『絶望的に聞こえる』ので、10 億ドル規模が必要だ。足りない分は自分が補う」と提案していました。 その後 2017 年には Musk 氏が「OpenAI を Tesla と合併させる」または「自身が CEO 兼絶対的支配権を持つこと」を要求しましたが、 共同創業チームは「個人による絶対的支配はミッションに反する」として拒否し、結果的に Musk 氏は離脱したとされます。 OpenAI は Musk 氏の訴訟自体を「ハラスメントキャンペーンであり、自我・嫉妬・競合企業のスピードを落としたいという欲求に基づく」と評しています。 (出典:OpenAI: OpenAI and Elon Musk

Elon Musk 氏の主張: Musk 氏は 2024 年に OpenAI と Altman 氏・Brockman 氏を相手取って訴訟を提起しました。 2026 年 5 月に Musk vs Altman 公判が行われ、5 月 18 日に評決が出ています(後述)。 訴訟での Musk 氏側の主張は次のとおりでした。

  • 「非営利として運営する」という約束を反故にされ、3,800 万ドル規模の寄付を、結果的に時価 8,000 億ドル規模の営利企業の立ち上げ資金として「だまし取られた」
  • 当初は「熱心に支援していた」が、その後「彼らが真実を語っていない」と疑い、最終的には「非営利団体を食い物にしている」と確信するに至った
  • 損害賠償として最大 1,340 億ドルと、Altman 氏・Brockman 氏の解任、営利化の取り消しを求めていた

なお、公判では Musk 氏自身の AI 企業 xAI(チャットボット Grok の運営)が、OpenAI の利用規約に違反する形で OpenAI のモデルを蒸留訓練に使っていたことも明らかになっています。

評決(2026 年 5 月 18 日): カリフォルニア州オークランドの連邦地裁で、陪審は Musk 氏の請求をすべて退けました。判断の理由は、OpenAI が非営利の約束に反したかという中身(争点)ではなく、 提訴が 3 年の出訴期限(statute of limitations)を過ぎていたという手続き上の理由でした。 助言的陪審(advisory jury)は 2 時間に満たない評議でこの結論を出し、Yvonne Gonzalez Rogers 判事がこれを採用しています。 Musk 氏はこれを「カレンダー上の形式論にすぎない」として控訴する意向を示しており、係争自体が完全に終わったわけではありません。 ただし、本案(OpenAI が非営利のミッションに反したかどうか)については判断されないまま、訴えは退けられた形です。 (出典:NPRCNBC

08.これからの要チェックポイント

2026 年 9 月時点で観測ポイントとして注視している項目を、 本年表の更新時に拾うべきトピックとして残します。

  • Hugging Face 侵害事件の再発防止: 2026 年 7 月に判明した、プレリリースモデルによる評価用サンドボックスの脱出・ Hugging Face の本番データベースへの不正アクセスを受け、社内評価用モデルの隔離運用が どう強化されるか
  • 値下げ期間終了後の料金: 2026 年 8 月 21 日に始まった GPT-5.6 Sol の引き下げは「今後 3 か月間」とだけ案内されています。 終了日がいつ告知され、標準料金へ戻るのか、据え置かれるのか
  • Ultrafast の一般提供と料金: Cerebras の基盤で最大 14 倍速となる Ultrafast が、API の限定プレビューから いつ広がるか。速度に対する追加料金がどう設定されるか
  • 能力ティア(Sol / Terra / Luna)の定着: 世代=数字・能力=ティア名という新しい命名体系が、以降の世代(5.7 や 6 系)でも維持されるか
  • GPT-5.x 系列の Codex 派生モデル: GPT-5.5 / 5.6 を Codex 用にチューニングした Codex 系列が登場するか、 それとも 5.3-Codex / 5.4-mini のように世代をまたぐ運用が続くか
  • 「super app」化の進度: ChatGPT が単なるチャットから、コード・調査・ドキュメント・操作を 1 か所で完結させる super app へどこまで踏み込むか
  • o-series の役割: GPT-5 系で reasoning が統合された後、o-series が新規モデルとして残るのか、 mini / nano 系として裏方に回るのか
  • Astra の提供時期と最終的な名前: 8 月 1 日に名前だけ示された次期主要モデル Astra が、いつ提供に至るか。 8 月上旬に OpenAI 自身が開示した「重大(Critical)」水準の懸念について、安全策がどこまで整うか。 製品名が GPT-6 になるのか 5.x の枝番になるのかも未確定
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09.よくある質問(FAQ)

ChatGPT が初めて公開されたのはいつですか?

2022 年 11 月 30 日に GPT-3.5 ベースで一般公開されました。 free research preview として提供され、5 日で 100 万ユーザー、 その後 2 か月で 1 億ユーザーに到達した、当時の最速普及記録を打ち立てたサービスです。

GPT-5 はいつ公開されましたか?

2025 年 8 月 7 日に ChatGPT・API・GitHub Models Playground で同時公開されました。 即答と熟考を切り替える統合モデルとして位置づけられ、 コーディング・数学・健康など幅広い領域でベンチマーク値を更新しました。

o1・o3 などの o-series と GPT-x はどう違いますか?

o-series は「考えてから答える」reasoning に振った別系列で、 複雑な推論・科学・コーディングで GPT-4o などの基盤モデルを上回ることを狙ったモデルです。 GPT-5(2025 年 8 月)以降は、reasoning と通常応答を 1 モデル内で切り替える形に統合され、 現在は基盤モデル側に reasoning が組み込まれた構成になっています。

GPT-4o の「o」は何の略ですか?

「omni」(オムニ)の頭文字です。 テキスト・音声・画像を 1 つのモデルでリアルタイムに扱える omni モデルとして、 2024 年 5 月 13 日に公開されました。

GPT-5.5 と GPT-5.3-Codex はどちらが新しいですか?

GPT-5.5 のほうが新しく(2026 年 4 月 23 日公開)、Codex 系列の GPT-5.3-Codex は 2026 年 2 月 5 日公開です。 Codex 系はバージョン番号が基盤モデルより遅れて付くことがあり、 機能的には Codex に最適化されたチューニング版である点が特徴です。

GPT-5.5 はどこで使えますか?

ChatGPT(Plus / Pro / Go / Business / Enterprise)と OpenAI API の両方で利用できます。 2026 年 5 月 5 日からは GPT-5.5 Instant が ChatGPT の既定モデルとして全ユーザーに展開されており、 無料ユーザーでも標準で GPT-5.5 系を使えます。

GPT-5.6 はもう使えますか?Sol / Terra / Luna とは何ですか?

はい。GPT-5.6 は 2026 年 6 月 26 日に限定プレビューとして公開され、2026 年 7 月 9 日に ChatGPT・Codex・API のすべてで一般提供(GA)が始まりました。Sol / Terra / Luna は能力ティアの名前で、数字(5.6)が世代を、ティア名が知能・速度・コストの方向を表します。 Sol がフラッグシップ(最も高い知能)、Terra がバランス型、Luna が高速・低コスト型です。 Sol には推論時間を最大化する max と、サブエージェントを束ねる ultra モードが加わりました。 2026 年 8 月 6 日には ChatGPT 向けの Sol / Luna が更新され、無料・Go プランの既定モデルが GPT-5.6 Luna になっています。

無料プランの ChatGPT でも GPT-5.6 を無制限に使えますか?

テキストでの対話は無制限です。2026 年 8 月 6 日に無料プランを含む全ユーザーのテキストチャットの 回数制限が撤廃され、無料・Go プランの既定モデルも GPT-5.6 Luna に切り替わりました。 複雑な質問のときだけ推論を強める「Think」ボタンも使えます。ただしファイルの アップロード・画像の読み取り・音声・画像生成には別の制限が残るため、 業務で使う前に対話だけで完結するかを確認してください。

10.まとめ

OpenAI の GPT モデルは、2018 年の GPT-1 公開から、ChatGPT 公開(2022 年 11 月)、GPT-4 / 4 Turbo / 4o、 reasoning 系列の o1 / o3、そして 2025 年 8 月の GPT-5 統合モデル、2026 年 4 月の GPT-5.5 へと進化を続けてきました。 SWE-bench Verified スコアは GPT-4o(2024 年 5 月)の 33.2% から GPT-5.2 Thinking(2025 年 12 月)の 80.0% へと約 1 年半で 2.4 倍に伸び、 コーディング性能の伸びがそのまま製品(Codex CLI / Cloud / IDE 拡張)に反映されています。 2026 年 5 月には GPT-5.5 Instant が ChatGPT の既定モデルとして全ユーザーに展開され、 6 月 26 日には次世代の GPT-5.6 が Sol / Terra / Luna の 3 ティアで限定プレビューを開始、 7 月 9 日には ChatGPT・Codex・API のすべてで一般提供に進みました。同日には自律型エージェント ChatGPT Work・統合デスクトップアプリを発表し、ブラウザ Atlas の終了も決定しています。 8 月 6 日には ChatGPT 向けの GPT-5.6 が更新され、無料・Go プランの既定モデルが GPT-5.6 Luna に切り替わるとともに、無料プランを含む全ユーザーのテキスト対話が 無制限になりました。 8 月 21 日には GPT-5.6 Sol の API 料金が「今後 3 か月間」の期間限定で引き下げられ、 Atlas は 8 月 9 日に停止、o3 は 8 月 26 日に ChatGPT から引退しています。

AI・AIエージェント活用 基礎知識集

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澤田 翔太(Shota Sawada)
この記事を書いた人

澤田 翔太

株式会社クリプタル 代表取締役

1988年生まれ、慶應義塾大学卒。創業メンバーとして関わった株式会社セールスサポートを株式会社ネオマーケティング(東証STD 4196)に売却。株式会社クリプタルでも複数の事業立ち上げと売却を経験し、2022年9月には婚活・恋愛メディア「シッテク」「婚活会議」を株式会社ベビーカレンダー(東証GRT 7363)へ売却。現在はAI業務支援事業、TANTOU事業、グロースハック支援事業、メディア事業、SEOコンサルティング事業を手がける。