AI・AIエージェント活用 基礎知識集基礎知識集 / OpenClaw

OpenClawとは|ローカル常駐型AIエージェントの特徴・使い方・注意点


OpenClawは、個人の端末やサーバーに常駐し、必要なときに作業を受け取り、自律的に進めるオープンソースのAIエージェントです。AIモデルそのものではなく、AIに「どこで待ち受けるか」「何をしてよいか」「どの道具を使うか」を渡す土台として見ると理解しやすくなります。

公開2026.05.12
最終更新2026.05.12
読了 17 分 / 約7,100字
この記事をシェアポスト
AI × 業務活用Local-first AI Agent

OpenClawとは

OpenClaw(ロブスターのアイコンと OpenClaw のロゴタイプ)
C
本記事の結論
OpenClawは、常駐して自律的に作業する個人AIエージェント

OpenClawの本質は、AIを常駐させ、チャット・端末・スキル実行をつないで、複数ステップの作業を進めさせる点です。公式READMEでは「自分のデバイスで動かす個人AIアシスタント」と説明され、Gatewayは入力インターフェイスと実行をつなぐ役割だと位置づけられています(openclaw/openclaw)。

01.OpenClawとは:ひと言でいうと

OpenClawとは、ユーザー自身の端末・サーバー・NASなどで動かせる、オープンソースのAIエージェントです。ChatGPTやClaudeのようなモデル名ではなく、AIに「どこで待つか」「どのファイルや道具に触れるか」「どの手順を使うか」を渡すための土台です。

公式READMEでは、WhatsApp、Telegram、Slack、Discord、Google Chat、Signal、iMessage、Microsoft Teams、LINE、WeChat など22以上の連携アプリが挙げられています。ただし重要なのは連携アプリの数だけではありません。OpenClawは、単発のWebチャットではなく、いつもの環境に常駐して作業を受けるアシスタントとして設計されています。

観点OpenClawの位置づけ実務での意味
分類自分で動かす個人AIエージェントWebサービスを使うだけでなく、自分の環境に置ける
入力インターフェイスチャット、アプリ、音声などSlackやTelegramなどから依頼できる
実行Gatewayとスキルで道具につなぐ回答だけでなく、調査・整理・通知などの作業に寄せられる
データ自分の環境を中心に運用どのAIモデルや外部APIに送るかは確認が必要
📘
用語
Voice Wake / Talk Mode / Live Canvas とは

以降の章でくり返し出てくるOpenClaw固有の3機能を、先に短く整理しておきます。いずれもCLIやチャットだけでは実現しづらい「OS操作(computer use)寄りの体験」を支えるパーツです。

  • Voice Wake:あらかじめ決めたキーワード(ウェイクワード)に反応してAIが起動し、音声で依頼を受け付ける機能。macOSやiOS上で「OK、Claw」と呼びかけるイメージで、キーボードに触れずに作業を任せられる
  • Talk Mode:起動後にそのまま音声会話を続けられるモード。Android では連続音声入力、デスクトップでは ElevenLabs + システム TTS でAIが声で返答する
  • Live Canvas:AIが自分で描く視覚的な作業面。文字のやり取りだけでなく、表・図・進捗状況・チェックリストなどを、AIが画面に直接描いて見せ、ユーザーがそれを操作できる(公式が「A2UI」と呼ぶエージェント主導のUI)

02.なぜ話題になったか

OpenClawが短期間で話題になった理由は、単に「普段のメッセージアプリからAIを呼べる」からではありません。より大きい理由は、AIが常駐し、人間が細かく指示しなくても複数ステップの作業を進める自律性を見せたことです。チャットはそのAIに声をかける入力インターフェイスのひとつにすぎず、価値の中心はその先で勝手に作業が進むことにあります。

伸びた理由OpenClawでの形見るべき点
常駐するメッセージ、音声、アプリ、Gatewayを通じて待ち受ける必要なときだけ開くチャットではなく、仕事を受ける窓口として置ける
自律性が高いスキル、ブラウザ、ファイル、スケジュールを使って作業を進める一問一答ではなく、調査から通知まで任せる設計に近い
普段使うアプリと連携できるSlack / Telegram / Discord / LINE / WeChat など普段のメッセージアプリから、そのままOpenClawに依頼できるAI専用画面を開き直さず、いつもの連絡面の延長で使える
拡張が共有されるClawHubでスキルとプラグインを探して入れられる個人が作った手順が、他のユーザーにも届く
Moltbookの注目度OpenClaw発の派生サービスとして6週間で大手テック媒体の連続報道→Meta買収まで進み、外部からも『AIエージェント常駐』の動きが見えたOpenClawを知らない層にも、常駐エージェントの未来像と同時にセキュリティ論点が広く伝わった

03.開発の経緯と周辺サービス

OpenClaw は、Swift / iOS 領域で PSPDFKit などを長年手がけてきた Peter Steinberger 氏(steipete) が、個人の手元 AI アシスタントとして開発を主導したプロジェクトです。自身のブログでもAIエージェント開発について発信しており、その実践の中で「自分の端末に常駐し、必要なときに声をかけられるAI」を作る目的で OpenClaw を立ち上げました。Peter 氏のキャリア(PSPDFKit 13 年運営から €100M+ exit、3 年の暗黒時代を経て OpenAI 参加まで)と、月 6,600 コミット/日 約 5 億トークン消費といった異次元の開発手法は、Peter Steinberger 氏の AI 駆動開発手法で別途整理しています。

時期出来事意味するところ
立ち上げ期Peter Steinberger 氏が個人の手元 AI として OpenClaw を着手。Gateway + 入力インターフェイス連携の発想で OSS 公開“自分の端末で動かす personal AI assistant” という最初の考え方が固まる
コミュニティ拡大期WhatsApp / Telegram / Slack / Discord / LINE / WeChat など22以上の連携アプリ、macOS / iOS / Android アプリ、Voice Wake、Live Canvas を追加個人ツールから「常駐 AI アシスタントの見本」へ変化
ClawHub整備スキルとプラグインを探し、導入し、公開できる場所が前面に出るOpenClawが本体だけでなく、拡張機能込みで広がる
Moltbookが話題になるAIエージェントが投稿・議論・投票するソーシャルネットワークとして注目を集めるOpenClawを知らない層にも、常駐エージェントが外に出て活動する未来像が伝わる
2026年2月:OpenAI 参加発表Peter Steinberger 氏が OpenAI に参加し、OpenClawは財団へ移す方針を表明個人主導のプロジェクトから、独立性と継続性を重視する段階へ
独立財団化OpenClaw Foundation は、OpenClawを独立・コミュニティ主導・オープンなプロジェクトとして保つことを掲げる特定企業だけの製品ではなく、複数のAIモデルや環境で使える方向に進む

Peter Steinberger 氏は2026年2月14日のブログで、OpenAIに参加して「誰でも使えるエージェント」に取り組むこと、OpenClawを財団へ移してオープンかつ独立したプロジェクトとして残すことを説明しています(OpenClaw, OpenAI and the future)。OpenClaw Foundation も、特定企業が単独で支配しないこと、ユーザーが自分のハードウェア・作業の前提・データを所有できることを掲げています(OpenClaw Foundation)。

OpenClaw単体だけではなく、周辺で派生プロジェクト・連携プロジェクトが広がっているのも特徴です。代表的なものとして、OpenClawとHermes Agentを同じWeChatアカウントで動かすコミュニティ製ブリッジ HermesClaw、OpenClawスキルをカテゴリ別に整理する VoltAgent/awesome-openclaw-skills、ClawHubに載る各種スキル/プラグインがあります。つまりOpenClawは、ひとつのアプリというより「常駐AIエージェントを中心に広がる周辺サービス群」として見る方が実態に近いです。

📘
補足
Moltbook で見えた OpenClaw 周辺の注目度

Moltbookは「AIエージェント向けのソーシャルネットワーク」を掲げる第三者サービスで、AIエージェント同士が投稿・議論・投票する見せ方が大きな注目を集めました(moltbook.com)。TechCrunchは2026.01.30にOpenClawコミュニティ発の派生としてMoltbookを取り上げ、2026.03.10にはMetaによる買収を報じています(2026-01-30記事 / 2026-03-10記事)。約6週間で大手テック媒体の連続報道から大手プラットフォームの買収まで進んだことが、OpenClaw周辺の注目度の大きさを定量的に示しています。同時に、なりすまし投稿の発覚など、常駐エージェントを外部の共有空間に出したときのセキュリティリスクもあらわになりました。

04.仕組み:Gateway・ClawHub・モデル・スキル

図解:OpenClaw の構成(入力インターフェイス → Gateway → 実行先)

上段「外から届く入力インターフェイス」、中段「制御の中心 Gateway」、下段「内で動かす道具」の3層で見ると整理しやすい。

① 入力インターフェイス側(外から)

チャネル

チャット連携アプリ

Slack / Telegram / Discord / WhatsApp / LINE / WeChat / iMessage など22以上。

音声・アプリ

端末側インターフェイス

macOS / iOS / Android アプリ、Voice Wake、Talk Mode、Live Canvas。

② 制御の中心

Gateway

Gateway

認証・ルーティング・会話履歴・モデル呼び出し・スキル実行を取り持つ。

③ 実行側(中で)

思考

AIモデル

OpenAI / Anthropic / ローカルLLM など、複数の接続先を構成で切替。

拡張

スキル / ClawHub

業務手順・プラグイン・外部サービス連携。ClawHubから探して導入。

作用先

端末・ファイル・ブラウザ

cron、通知、Dockerサンドボックスなど。どこまで触れるかは運用側で決める。

Gatewayは入力インターフェイスと実行をつなぐ窓口

OpenClawではGatewayが、チャットやアプリから来た依頼と、AIモデル・スキル・ツール実行の間を取り持ちます。ユーザーはメッセージや音声で依頼し、Gatewayが会話、モデル呼び出し、スキル実行をつなぎます。

ClawHubは拡張機能の置き場

ClawHub は、OpenClaw向けのスキルとプラグインを探し、導入し、公開するための場所です。トップページではSkills、Plugins、Publishersをカテゴリにし、2026年5月12日時点で「52.7k tools」「180k users」「12M downloads」といった利用規模を掲げています。数値はサイト上で変わる可能性があるため、記事では固定値として強調しすぎず、OpenClawの拡張機能をみんなで探し、配れる場所がある点を押さえるのが重要です。

公式ドキュメントでは、OpenClawのスキルは SKILL.md、設定、スクリプト、説明情報を含むフォルダとして説明されています。導入は openclaw skills install <skill-slug>、更新は openclaw skills update --all、公開や同期は clawhub sync / clawhub skill publish が担います(OpenClaw Skills / ClawHub docs)。

ClawHubで見るポイント意味導入時の注意
Skills業務手順、ツールの使い方、スクリプトをまとめて配る説明だけでなく、同梱スクリプトも読む
PluginsGateway側の機能や外部サービス連携を増やす何にアクセスするか、外へ何を送るかを確認する
更新履歴バージョン、変更履歴、タグで更新内容を追える最新だから安全とは限らない。差分を見る
報告・非表示GitHubログイン、報告、非表示などの仕組みがある公開されているから安全、とは考えない

モデルは選べるが、権限ルールは自分で決める

OpenClawは特定のAIモデルではありません。OpenAI、Anthropic、ローカルLLMなど、接続するモデルは設定で変えられます。一方で、AIにどのファイル、どのAPI、どのチャットを触らせるかは、運用する側が決める必要があります。

設定ファイル:SOUL.md / MEMORY.md / USER.md / HEARTBEAT.md / AGENTS.md

OpenClawの「振る舞い」は、コードではなく ~/.openclaw 配下の Markdown ファイル群 で決めます。エージェントの人格・記憶・ユーザー情報・定期実行・ワークスペース指示を、それぞれ別ファイルに分けて持つ設計です。読者が直接読み書きでき、必要なら Git で差分管理もできます。これは Hermes Agent の DB 中心の記憶設計とは対照的で、OpenClaw の「ローカルで人が読める形を重視」という思想がもっとも分かりやすく出る部分です。

ファイル役割書く内容の例
SOUL.mdエージェントの人格(persona)を定義する口調、得意分野、性格、断り方、口癖など
MEMORY.md恒久的に覚えておくべき記憶を集約するプロジェクトの前提、決めごと、再利用したい知識
USER.mdユーザー本人の情報・好みを置く肩書き、関心領域、好きな進め方、避けたい話題
HEARTBEAT.md定期的に勝手に動く指示を書く30分おきに新着レビューを確認、朝に今日の予定を整える、など
AGENTS.mdワークスペース単位の作業指示を書くコードベース固有のルール、ツールの使い分け、注意事項
skills/<name>/SKILL.mdスキル1つ分の手順・設定・スクリプトをまとめる業務手順、外部API呼び出し、テンプレ

運用上のポイントは2つあります。1つ目は、人格と記憶を分けて持てることです。SOUL.md は「どう話すか」、MEMORY.md と USER.md は「何を覚えているか」、HEARTBEAT.md は「何を勝手にやるか」をそれぞれ独立して編集できます。挙動がおかしいときは、どのファイルが原因かを切り分けて直せます。2つ目は、ファイルなのでバックアップ・移行が容易な点です。Hermes Agent には hermes claw migrate という OpenClaw からの取り込みコマンドが標準搭載されており、SOUL.md / MEMORY.md / スキル / 認可済みコマンド / APIキーをそのまま移行できます。設計が Markdown ベースだからこそ実現できる連携です。

📘
補足
Markdown 設定の利点と落とし穴

人が読み書きできることは、AIに与える権限・記憶・人格をユーザーが直接コントロールできる強みですが、同時に 「秘密情報を MEMORY.md に書き込んでしまう」「古い前提が SOUL.md / MEMORY.md に残り続ける」 といった事故も起きやすくなります。少なくとも、専用機(後述のセキュリティ Callout 参照)に置く・Git で履歴を取る・公開リポジトリには絶対に置かない、の3点はセットで運用してください。

!
セキュリティ
常駐AIエージェントは「専用機・専用アカウント」に置く世界観に向かっている

常駐AIに外から依頼できることは強力ですが、業務用のメインPCにそのまま常駐させると、AIがどこまで触れるかが曖昧になりやすく、事故にもつながります。権限の許可は最小限から始め、慣れてきたら少しずつ広げる のが基本です。

こうしたセキュリティ懸念を背景に、実務では OpenClaw専用の小型機や、専用のユーザーアカウントを用意してそこに常駐させる 考え方が広まりつつあります。なかでも常時稼働しても電気代が安く、macOS(Voice WakeやLive Canvasが動く環境)を満たせる Mac Mini は、AI エージェント専用機として挙げられることの多い選択肢です。手元の作業用PCとは別の場所にAIを置くことで、誤操作や情報漏えいの被害範囲を物理的に切り離せます。AIエージェント用に「もう一台買う/別アカウントを切る」という前提で運用設計を始めるのが、いまのところ現実的な落とし所です。

05.推奨スペックと動かす場所

OpenClaw自体はNode.jsで動く軽量なGatewayです。Gateway 単体ならメモリ要件は小さく、安価なVPSやMac Mini級の小型機でも常駐させられます。一方、OpenClaw経由でClaude CodeなどのAIコーディングエージェントを動かしたり、Dockerサンドボックスで隔離実行する場合は、エージェントとサンドボックスを乗せる分の余裕が必要になります。

要件公式の数字実務での目安
Node.jsNode 24 推奨(Node 22.16+ も対応)古いLTSはサポート外。同梱のonboardが導入を案内する
対応OSmacOS / Linux / Windows(WSL2 強く推奨)Windows ネイティブはまだ early beta。WSL2 が一番安定
Docker でのビルド最小メモリ2GB RAM(1GB だと pnpm install が OOM で 137 終了)OpenClaw単体を動かすだけならVPSの 1〜2GB クラスでも可。ただしビルド時は 2GB 以上
Oracle Cloud Always Free(公式手順)VM.Standard.A1.Flex / 2〜4 OCPU / 12〜24 GB RAM / 50〜200 GB ディスクAlways Free 枠で十分な動作余裕があり、24/7 常駐の入門として現実的
Claude Code など別エージェント併用公式の数字は明示なしClaude Code 等の Node.js エージェントは単体で 1〜2GB 使うため、Gateway と合算で 最低 4GB、できれば 6〜8GB の RAM を見ておくと安心
ディスク(推奨値の明示なし)ログ・スキル・記憶ファイル・Docker レイヤーで 20〜50GB は確保。Mac Mini なら 256GB SSD で 1〜2 年分の余裕

まとめると、OpenClaw 単体 = 2GB / Claude Code 等を経由させる = 4GB 以上 が現実的なラインです。Oracle Cloud Always Free の ARM インスタンス(2 OCPU / 12GB / 50GB / 無料)は、公式手順としても紹介されており、常駐 AI エージェントの「最初の置き場所」として無料で十分なスペックを満たします。手元に置きたい場合は、前述のとおり Mac Mini(M2/M4 8GB 〜 16GB)が AI エージェント専用機として人気です。

06.OpenClawでできること

OpenClawの強みは、AIを常駐させ、繰り返し作業を任せやすい点です。たとえば、社内Slackから調査を頼む、Telegramで外出先からタスクを投げる、定型レポートを作らせる、ファイル整理やリマインドを自動化する、といった使い方が考えられます。

公式の事例では、PRレビュー結果をTelegramへ返す例、CSVからワインセラー用スキルを作る例、買い物・予約・家計書類整理のブラウザ自動化、Codexセッション監視、3Dプリンタ制御、公共交通案内、Telegram越しのiOSアプリ開発、14以上のエージェントをひとつのGatewayで運用する例などが掲載されています(OpenClaw 事例集)。ここから分かるのは、OpenClawが「会話するだけのAI」ではなく、依頼を受けて実作業までつなぐ常駐エージェントとして使われていることです。

ユースケース向き注意点
個人のタスク受付高い連携アプリが増えるほど誤送信・なりすまし対策が重要
チームの一次対応中〜高誰の権限で実行するかを明確にする
ファイル/メール/予定の整理中個人情報と業務機密の境界を決める
スキル作成と共有中〜高ClawHub公開前に秘密情報・危険なコマンドがないか確認する
本番システム操作低い人間承認・監査ログなしでは避ける

07.向いている用途・向かない用途

向いている理由設計ポイント
個人秘書・リマインダー常駐する入力インターフェイスと相性がよい通知先と時間帯を制御する
軽い調査と要約外出先から依頼しやすい出典確認を必須化する
定型作業スキル化し、ClawHubや自分の作業場所で再利用しやすい失敗したときの止め方を決める
端末に近い自動化ブラウザ、ファイル、通知、周辺機器との相性がよい専用の作業場所と権限ルールを作る
全社の重要業務代行初期導入では不向きPoC後に権限を段階拡張する

08.導入前に決めるべきルール

OpenClaw導入で最初に決めるべきことは、インストール手順ではなく「AIに何を許すか」です。どの入力インターフェイスから受け付けるか、どのファイルを読めるか、どのAPIに書き込めるか、人間の確認をどこで挟むかを、技術設定より先に決めます。

設計項目推奨避けたい状態
入力インターフェイス個人/検証用から開始全社Slackにいきなり常駐
ファイル専用ワークスペースのみホームディレクトリ全体を許可
外部送信送信前に確認メール・投稿・決済を自動実行
スキル第三者スキルはコードレビューしてから有効化ClawHubから入れたものを無審査で実行
ログ会話とツール実行を保存後から原因追跡できない

09.Hermes Agentとの違い

OpenClawとHermes AgentはいずれもオープンソースのAIエージェントですが、得意な方向が違います。OpenClawは、常駐、端末に近いUI(Voice Wake / Live Canvas / macOS-iOS-Androidアプリ)、ClawHubやMoltbookのような周辺サービスを含めた「手元の相棒型」です。Hermes Agentは、過去会話の検索、記憶、スキル改善を重視する「覚えて改善する型」です。

関連記事

Peter Steinberger 氏のAI駆動開発手法

OpenClaw 作者のキャリア、月6,600コミット/日5億トークンの異次元ワークフロー、CLAUDE.md / SOUL.md / AGENTS.md の哲学、Lex Fridman Podcast #491 で語られた未来予測まで整理しています。

続きを読む
関連記事

Hermes Agentとは

Hermes Agentの記憶・スキル改善の仕組みを別記事で整理しています。

続きを読む
関連記事

OpenClawとHermes Agentの違い

両者の選び方を、常駐、自律性、記憶、スキル、導入ルールの観点で比較します。

続きを読む

10.FAQ

OpenClawはChatGPTやClaudeと何が違いますか?

OpenClawはAIモデルではなく、AIを常駐させ、チャット、端末、スキル、ツール実行につなぐための土台です。ChatGPTやClaudeなどのモデルを接続して使います。

ClawHubとは何ですか?

ClawHubはOpenClaw向けのスキルとプラグインを探し、導入し、公開するための場所です。OpenClawの強みである一方、第三者スキルは実行コードや外部送信を含み得るため、確認してから有効化すべきです。

MoltbookはOpenClaw公式のサービスですか?

MoltbookはOpenClaw周辺で大きな注目を集めたAIエージェント向けソーシャルネットワークで、メイン媒体の連続報道とMetaによる買収まで進みましたが、OpenClaw本体そのものではありません。同時に、なりすましや認証・監査のリスクもあらわになりました。

OpenClawは企業利用できますか?

技術的には可能ですが、AIに何を許すか、ログをどう残すか、機密情報をどう外すか、人間確認をどこで挟むかを決めてから小さく始めるべきです。特にメール送信、ファイル削除、外部投稿、決済などは初期段階では自動実行させない方が安全です。

OpenClawとHermes Agentはどちらを選ぶべきですか?

常駐して端末に近い作業を任せたいならOpenClaw、過去会話やスキルを覚えて改善することを重視するならHermes Agentが候補になります。比較記事で詳しく整理しています。

11.まとめ

OpenClawは、AIを日常環境に常駐させ、自分の端末やサーバーで使うためのAIエージェントです。深く見るべき点は、連携アプリの多さだけではありません。常駐して依頼を受け、自律的に複数ステップを進め、ClawHubで拡張し、Moltbookのような派生サービスで「エージェントが外の共有空間に出る」未来像とリスクを見せたことが重要です。導入価値は高い一方、連携アプリ・スキル・外部サービスが増えるほど権限と監査の重要性も高まります。まずは個人環境・限定した入力インターフェイス・読み取り中心から始め、書き込みや外部送信は人間承認付きで広げるのが安全です。

AIエージェント導入相談

自社に合うAIエージェント活用を整理しませんか

権限ルール、業務選定、PoC設計まで、現場で使える導入ステップに落とし込みます。

無料で相談する

AI・AIエージェント活用 基礎知識集

一覧に戻る →
この記事をシェア
澤田 翔太(Shota Sawada)
この記事を書いた人

澤田 翔太

株式会社クリプタル 代表取締役

1988年生まれ、慶應義塾大学卒。創業メンバーとして関わった株式会社セールスサポートを株式会社ネオマーケティング(東証STD 4196)に売却。株式会社クリプタルでも複数の事業立ち上げと売却を経験し、2022年9月には婚活・恋愛メディア「シッテク」「婚活会議」を株式会社ベビーカレンダー(東証GRT 7363)へ売却。現在はAI業務支援事業、TANTOU事業、グロースハック支援事業、メディア事業、SEOコンサルティング事業を手がける。