Gemma 4の必要スペック
使い方と違い
Google DeepMindが公開しているオープンウェイトLLM「Gemma 4」(読み方: ジェマ フォー)は、単一のモデルではなくE2B・E4B・12B・26B A4B・31Bという5つのモデルの総称です。同じGemma 4という名前がついていても、必要なメモリ・VRAMだけでなくアーキテクチャ(Dense/MoE)や対応入力(テキストのみ/画像・音声も対応)まで別物なので、目的に合わないモデルを選ぶと「動くには動くが重すぎる」「マルチモーダルが使えると思ったら未対応だった」といったつまずきが起きやすくなります。本記事では、公式ドキュメントとHugging Faceの一次情報をもとに、モデル別の必要スペックと具体的な使い方を中心に、5モデルのアーキテクチャの違い・Gemma 4で強化された機能までを整理します。
Gemma 4は5モデルとも画像入力に対応した共通仕様を持ちつつ、サイズが上がるほど必要メモリ・対応モダリティ・コンテキスト長が増えるという単純な序列ではなく、E2B/E4Bはエッジ・モバイル向け、12Bは音声まで含むマルチモーダル統合設計、26B A4BはMoEによる高スループット、31Bは高密度・高精度というようにアーキテクチャごとに得意分野が分かれています。手元でまず試すならOllamaやLM Studioで動くE2B・E4B、ノートPC上でのマルチモーダル用途には16GBクラスのVRAMで動く12B、社内API・サーバー用途は26B A4Bか31Bが基本の選び方です。
01.結論
Gemma 4は、「パラメータ数が大きいほど高性能」という単純な軸で選ぶとつまずきやすい構成になっています。冒頭の結論で触れた通り、5モデルはそれぞれ異なるワークロードを想定した設計です。以降、Gemma 4とは何か→必要スペック→使い方→5モデルの違い→共通機能→用途別の選び方の順に説明します。
02.Gemma 4とは|Googleの新型オープンウェイトLLM
Gemma 4は、Google公式ドキュメントが定義するところの「質問応答、要約、推論など、さまざまな生成タスク」に対応する生成AIモデルファミリーです。コードとモデルの重みが公開されている「オープンウェイト」モデルで、企業・個人を問わず責任あるAI利用の範囲内で商用利用が認められています。中核となるマルチモーダル統合モデル「Gemma 4 12B」は、Google公式ブログによれば2026年6月3日に発表され、「高性能なマルチモーダル機能をノートパソコンに直接提供する」ことを狙って設計されたと説明されています。
名前は姉妹モデルの「Gemini」と語感が近いですが、系統としては別物です。Geminiは主にGoogleのクラウド・API経由で提供される非公開の商用モデル群である一方、Gemmaはモデルの重みそのものを無料でダウンロードして自分の環境で動かせる、オープンウェイトの派生ファミリーという位置づけです。
03.必要スペック|モデル別のメモリ目安
Gemma 4を選ぶ前に、まず気になるのは「自分の環境で動くか」です。パラメータ数・アーキテクチャ・コンテキスト長・メモリ目安を数値で並べます。表中の「PLE」はPer-Layer Embeddings(層ごとの専用ベクトル)という仕組みの略称で、E2B・E4Bで使われています。メモリは公式ドキュメントが示すQ4_0量子化時の推論メモリ目安で、BF16(量子化なし)ではおよそ4倍になります。
| モデル | パラメータ数 | アーキテクチャ | コンテキスト長 | メモリ目安(Q4_0) |
|---|---|---|---|---|
| E2B | 有効2.3B(PLEにより実体は約5B) | Dense + PLE | 128K | 約2.9GB |
| E4B | 有効4.5B(PLEにより実体は約8B) | Dense + PLE | 128K | 約4.5GB |
| 12B | 約12B | Dense(エンコーダレス統合型) | 256K | 約6.7GB |
| 26B A4B | 総パラメータ約26B(アクティブ約4B) | MoE | 256K | 約14.4GB |
| 31B | 約31B | Dense | 256K | 約17.5GB |
E2B・E4Bの「E」は、Gemma 3n世代から続く「Effective(有効)パラメータ数」の意味です。PLEの仕組みで一部のパラメータをオンデマンドに扱うため、Hugging Faceのモデルカード上のダウンロードサイズは「E2B」でも実体としては約5Bパラメータ相当になります。「ダウンロードしたモデルの容量が想定より大きい」と感じたときは、この有効パラメータ数と実パラメータ数の違いが原因です。
表のメモリ目安はQ4_0量子化時の推論に必要な分だけで、実際にはOSやブラウザ・他アプリの分も含めて余裕を見る必要があります。手元のVRAM・統合メモリの総量が表の数値ぎりぎりの場合は、ワンサイズ小さいモデルか、より強く量子化したバージョンを選ぶと動作が安定します。オープンウェイトのローカルLLM全般に共通する量子化・実行環境の基礎(GGUF・量子化ビット数の考え方など)は、ローカルLLMとは|必要なスペック・クラウドとの違い・始め方で別途整理しています。
04.使い方|ダウンロードからローカル実行まで
Gemma 4は、公式ドキュメントによれば主に3つの経路で使えます。ここではローカルで動かす手順を中心に紹介します。
Hugging Face・Kaggleからのダウンロード
公式の配布元はHugging Face(google/gemma-4コレクション)とKaggleの2つです。対話用途であれば、モデル名の末尾に「it」(instruction-tuned)が付いたバージョンを選びます。Hugging Face CLIを使う場合のコマンドは次の通りです。
pip install -U "huggingface_hub[cli]"
# 例: 12B(instruction-tuned版)をダウンロード
huggingface-cli download google/gemma-4-12B-it利用にはGoogleのGemma利用規約への同意が必要です。Hugging Face上で該当モデルページのライセンス同意を済ませたうえで、アクセストークンを発行してダウンロードします。
Ollama・LM Studioで試す
セットアップの手間なく試したい場合は、OllamaやLM Studioが手軽です。Ollamaはモデルサイズごとにタグが分かれているため、動かしたいモデルを指定して実行します。
# サイズを指定して取得(e2b / e4b / 12b / 26b / 31b から選択)
ollama pull gemma4:12b
# 対話を開始
ollama run gemma4:12bLM Studioを使う場合は、アプリ内の検索画面で「Gemma 4」を検索し、手元のマシンスペックに合ったサイズ・量子化レベルのモデルをGUI上でダウンロードして実行します。コマンド操作なしで試したい場合はこちらが手早い選択肢です。
GGUF・量子化で軽くする
VRAM・メモリが限られる環境では、GGUF形式の量子化モデルが選択肢になります。ggml-orgのGGUFコレクションには、E2B・E4B・12B・26B A4B・31Bそれぞれの量子化済みモデルが公開されており、llama.cppやllama.cpp互換のツールで読み込めます。
# Q4_0量子化のGGUFファイルだけを取得
huggingface-cli download ggml-org/gemma-4-12B-it-GGUF \
--include "*Q4_0*" --local-dir ./models
# ダウンロードしたgguf ファイルを指定して実行
llama-cli -m ./models/<ダウンロードされたファイル名>.gguf \
-p "Gemma 4について3行で説明してください" -n 256Googleは量子化による品質低下を抑えるため、量子化シミュレーションを学習プロセス自体に組み込んだ「QAT(Quantization-Aware Training)」版のモデルも別途公開しています。同じサイズでもQATモデルのほうが量子化後の精度が安定しやすいため、精度を優先するならQAT版を選ぶ価値があります。本番のクラウドデプロイでGemini APIやGoogle Cloudに載せる場合は、圧縮テンソル形式(w4a16-ct)が用意されています。
05.パラメータ数・アーキテクチャ別に見る5モデルの違い
Gemma 4は、公式ドキュメントによると「特定のハードウェア要件に合わせて調整された4つの異なるアーキテクチャ」で構成されます。Hugging Face公式ブログによれば、画像入力はE2B・E4B・12B・26B A4B・31Bの5モデルすべてに共通する仕様です。まず全体像として、5モデルが得意とする用途を一覧で見てみます。
| モデル | エッジ・モバイル実行 | 画像入力 | 音声入力 | 長文コンテキスト(256K) | サーバー高スループット |
|---|---|---|---|---|---|
| E2B | ◎ | ○ | ○ | △ | × |
| E4B | ◎ | ○ | ○ | △ | × |
| 12B | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
| 26B A4B | × | ◎ | × | ◎ | ◎ |
| 31B | × | ◎ | × | ◎ | ○ |
E2B・E4B|モバイル・エッジ・ブラウザ向け
E2B・E4Bは、公式ドキュメントが「モバイル・エッジ・ブラウザ向け」と位置づける小規模モデルです。Hugging Face公式ブログによれば、画像・テキストに加えて音声・動画にも対応しており、コンテキスト長は128Kトークンです。Q4_0量子化であればE2Bは約2.9GB、E4Bは約4.5GBのメモリで動作するため、スマートフォンやノートPC、ブラウザ内実行(transformers.js経由)にも収まる小ささが特徴です。
処理速度と反応の軽さを優先する用途、たとえばオフライン動作が前提のモバイルアプリや、まずGemma 4を手元で試してみたいという場合に向いています。
12B|エンコーダレス設計のマルチモーダル統合モデル
12Bは、公式ブログが「マルチモーダル統合モデル」と呼ぶ位置づけのモデルで、Gemma 4の中で最もアーキテクチャの変更が大きいモデルです。従来のマルチモーダルモデルは、画像・音声を専用のエンコーダで一度処理してからLLM本体に渡す構成が一般的でしたが、12Bはこの専用エンコーダを持たない「エンコーダレス」設計を採用しています。
従来型のマルチモーダル設計
- 画像・音声を専用のエンコーダで個別に処理
- エンコーダ分のパラメータ・計算コストが別途必要
- モダリティごとに独立したパイプラインになりやすい
Gemma 4 12Bの設計
- 画像は単一の行列乗算・位置埋め込み・正規化のみで処理
- 音声は生の波形をテキストトークンと同じ次元空間に投影
- 26B A4B(MoE)に近いベンチマーク性能を、より軽量な構成で達成
この設計により、12Bは公式ブログの説明では16GBのVRAMまたは統合メモリで動作し、コンテキスト長は256Kトークンまで拡張されています。同ブログは、ネイティブな音声入力対応は「中量級のモデルとしては初めて」だとしています。画像・音声・動画を組み合わせたエージェント用途や、ノートPC上でのマルチモーダルなプロトタイピングに向いたモデルです。
26B A4B|MoEで高スループットを狙うモデル
26B A4Bは、公式ドキュメントが「高スループット推論向け」と位置づけるMoE(Mixture of Experts)モデルです。総パラメータは約26Bですが、1回の推論で実際に使う(アクティブになる)パラメータは約4Bに絞られており、これが「A4B」(Active 4B)という名前の由来です。総パラメータ相当の知識量を持ちながら、推論時の計算コストは小さいモデルに近づけられるのがMoEの狙いです。
Hugging Face公式ブログでは、26B A4Bの拡散モデル型派生版「DiffusionGemma」が1秒あたり1100トークンを超える生成速度を達成したことも紹介されています(H100 GPU・FP8精度・小バッチという条件下での数値で、画像を生成する拡散モデルではなく、テキスト生成を高速化する拡散モデルである点に注意が必要です)。複数リクエストを同時にさばく社内向けAPIや、レイテンシを抑えたいチャットボットのバックエンドに向いています。
31B|サーバークラス向けの高密度モデル
31Bは、Gemma 4の中で最大のパラメータ数を持つ高密度(Dense)モデルです。公式ドキュメントは「サーバークラス向け」と位置づけており、Hugging FaceのモデルカードではMMLU ProやAIME、GPQA Diamondといった代表的なベンチマークで高いスコアが報告されています(数値はGoogle自身による自己申告のベンチマークで、第三者による再現検証ではない点は踏まえて参照してください)。省メモリ・省コストよりも精度そのものを優先したい用途に向くモデルです。
06.Gemma 4で強化された共通機能
パラメータ数やアーキテクチャの違いとは別に、Gemma 4は5モデル共通でいくつかの新機能を備えています。いずれも公式ドキュメントに明記されている仕様です。
図:Gemma 4で強化された4つの機能
Gemini系モデルで採用されてきた機能が、オープンウェイトのGemma 4にも反映されている。
① 思考モード
推論の深さを構成可能
回答前にどこまで内部で推論を重ねるかを構成できる『思考モード』を搭載。複雑なタスクでは深く、単純な応答では浅く、と使い分けられる。
② 拡張コンテキスト
小規模モデルでも128K
E2B/E4Bで128K、12B以上で256Kトークンまでのコンテキスト長に対応。長文の要約や複数ドキュメントの横断参照がしやすくなった。
③ 関数呼び出し
エージェント用途を強化
ネイティブなシステムプロンプトと関数呼び出し(function calling)に対応し、外部ツールと連携するエージェント構築がしやすくなっている。
④ Multi-Token Prediction
推測デコードで高速化
MTP(Multi-Token Prediction)用のドラフターモデルを搭載。一度に複数トークンを予測してから検証する仕組みで、生成速度を底上げする。
07.用途別の選び方
ここまでの内容を、実際に使う場面ごとに整理し直します。
- ✓ スマートフォン・ブラウザ内・オフライン動作が前提 → E2B(省メモリ最優先)
- ✓ エッジデバイスで、E2Bより少し余裕を持たせたい・音声も使いたい → E4B
- ✓ ノートPC1台でマルチモーダル(画像・音声)を試したい・エージェント開発 → 12B
- ✓ 社内API・チャットボットのバックエンドとして複数リクエストをさばきたい → 26B A4B
- ✓ 精度を最優先し、サーバー環境で本格運用したい → 31B
- ✓ 自社での学習・ファインチューニングまで見据えている → 対象サイズのit以外(ベース)版から検討
いずれのサイズでも、まずはHugging Face・Kaggle上のモデルカードで最新のベンチマーク・ライセンス条件・推奨ハードウェアを確認してから採用を決めることをおすすめします。オープンウェイトモデルは更新頻度が高く、量子化版やQAT版など派生モデルも随時追加されるためです。
08.Gemma 3以前との違い・ライセンス
Gemma 3以前と比べたとき、最も分かりやすい違いは12Bの「エンコーダレス」マルチモーダル設計と、中規模モデルでのコンテキスト長拡張(最大256K)です。あわせて、思考モードの構成・関数呼び出し・Multi-Token Predictionによる高速化など、Gemini系モデルの機能がオープンウェイト側にも反映されてきています。旧バージョンのGemma 1〜3も、公式ドキュメントから引き続き取得可能です。
Gemmaシリーズは、公式のリリースノートによると2024年2月の初代リリース以来、世代ごとの間隔にはばらつきがありつつ、2年強で4世代を重ねてきました。
Gemma 4はE2B・E4B・26B A4B・31Bが2026年3月31日に先行リリースされ、マルチモーダル統合モデルの12Bは同年6月3日に追加された(公式リリースノートより)。E2B・E4Bの「PLE」はGemma 3n世代から続く仕組み。
ライセンス面では、Gemma 4はコード・モデルの重みともにApache 2.0が適用されています。公式のライセンスページによれば、Gemma 1〜3には専用の「Gemma利用規約」が適用される一方、Gemma 4はApache 2.0に一本化されました(同ページ自体の表示にはクリエイティブ・コモンズ表示4.0が使われていますが、これはドキュメントの著作権表示であり、モデルの重みのライセンスとは別です)。ただしApache 2.0ライセンスの詳細ページの案内によれば、Apache 2.0単体ではなく「Prohibited Use Policy(禁止事項ポリシー)」と「Intended Use Statement(意図された使用に関する声明)」が並行して適用される構成で、Gemma 1〜3で課されていた利用制限が完全になくなったわけではありません。Hugging Face公式ブログによれば、Gemmaファミリー全体でのダウンロード数は1億5,000万を超えており、オープンウェイトLLMの中でも利用実績が積み上がっているシリーズです。
09.よくある質問(FAQ)
Gemma 4の読み方は?
「ジェマ フォー」と読みます。Gemmaはラテン語・イタリア語で「宝石」を意味する単語で、Google DeepMindの生成AIモデルファミリー全体の名称です(「ジェマ」と読みます)。「Gemma 4」はそのシリーズの第4世代にあたり、末尾の数字はバージョンを表します。開発元であるGoogle・Google DeepMindの姉妹モデルGeminiとは名前の由来が近い(宝石・双子を意味する語)だけで、モデル自体は別系統のオープンウェイト版という位置づけです。
Gemma 4で画像を生成できますか?
できません。Gemma 4は画像・音声・動画を「入力」として受け取り、テキストを出力するモデルで、画像を生成する機能は持っていません。26B A4Bには「DiffusionGemma」という拡散モデル型の派生版がありますが、これは高速化を狙ったテキスト生成の仕組み(1秒あたり生成できるトークン数を伸ばす技術)であり、画像を作る拡散モデル(Stable DiffusionやImagenなど)とは別物です。画像を生成したい場合は、Gemini APIの画像生成機能など別のモデルを使う必要があります。
Gemma 4はHugging Faceのどこからダウンロードできますか?
Googleの公式コレクション(huggingface.co/collections/google/gemma-4)に、E2B・E4B・12B・26B A4B・31Bそれぞれの通常版(指示なし)とit版(instruction-tuned、対話向けに調整済み)が公開されています。GGUF形式で手軽に使いたい場合はggml-org、Apple Silicon向けのMLX形式で使いたい場合はmlx-communityが、それぞれ変換済みのコレクションを公開しています。もう1つの公式配布元であるKaggleからも同じモデルを取得できます。
Gemma 4は商用利用できますか?
できます。Gemma 4はコード・モデルの重みともにApache 2.0ライセンスで公開されており、商用利用を制限しません(Gemma 1〜3は専用の「Gemma利用規約」が適用されるため、旧バージョンとはライセンス条件が異なります)。ただしApache 2.0単体ではなく、Googleが別途定める「Prohibited Use Policy(禁止事項ポリシー)」と「Intended Use Statement(意図された使用に関する声明)」が並行して適用される構成になっており、これらは責任あるAI利用の範囲を定めるものです。クリエイティブ・コモンズ表示4.0(CC BY 4.0)はGoogleのドキュメントページ自体に適用されるライセンスで、モデルの重みには適用されません。生成物の利用範囲や再配布の条件は、実際に組み込む前にGoogle公式の利用規約原文(Apache 2.0本文・禁止事項ポリシー・意図された使用に関する声明の3つ)を確認してください。
E2B・E4B・12B・26B A4B・31B、結局どれを選べばいいですか?
手元のノートPCやスマートフォンで試したいだけならE2B・E4B、マルチモーダル(画像・音声)を活かした個人開発やアプリ組み込みには16GBクラスのVRAMで動く12B、社内向けAPIとして複数リクエストをさばきたいなら高スループット設計の26B A4B、精度を最優先するならサーバークラスの31B、というのが基本の目安です。最終的な判断材料になる各モデルの必要メモリ・特徴の一覧は本文の比較表にまとめています。
Gemma 3からの主な変更点は何ですか?
最も大きな違いは、12Bモデルに採用された「エンコーダレス」設計です。従来のマルチモーダルモデルは画像・音声を専用のエンコーダで処理してからLLM本体に渡していましたが、Gemma 4の12Bはこの専用エンコーダを持たず、画像パッチや音声波形をLLMの埋め込み空間へ直接投影します。あわせて、中規模モデルでのコンテキスト長が最大256Kトークンまで拡張され、推測デコードによる高速化(Multi-Token Prediction)や、思考モードの構成可否など、Gemini系モデルで採用されてきた機能もGemma 4に反映されています。
10.まとめ
Gemma 4は、E2B・E4B・12B・26B A4B・31Bという5つのモデルからなるオープンウェイトLLMファミリーです。パラメータ数の大小だけで選ぶのではなく、まず必要スペック(メモリ・VRAM目安)で手元の環境に合うかを確認し、そのうえでアーキテクチャと対応モダリティの違いに注目すると、目的に合ったモデルにたどり着きやすくなります(比較表・チェックリストを参照)。Hugging FaceやKaggleから無料でダウンロードでき、Ollama・LM Studio・llama.cppなど手元の環境で今日から試せます。
どのモデルを選ぶか、自社の要件(対応させたいモダリティ・想定リクエスト数・扱うデータの機密性)に応じたGPU要件の見積もりや量子化レベルの検証は、実際に動かして比較する手間がかかります。
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