AI × 業務活用AquesTalkとは|ゆっくりボイスの使い方・ライセンスを解説

AquesTalkとは|「ゆっくりボイス」の使い方・商用ライセンス・料金


AquesTalkは、「ゆっくり実況・解説」動画でおなじみの合成音声(通称ゆっくりボイス)の元になっている、組み込み向けの音声合成エンジンです。2008年頃から使われている息の長いソフトですが、個人利用は無料でも広告付き動画への使用には別途ライセンスが必要だったり、長らく定番だった「SofTalk」が対応を終了していたりと、公式サイトを読んだだけでは今どう使えばいいのか分かりにくい部分があります。本記事では、公式情報をもとに開発の経緯、使い方、ライセンスの境界線、現在の定番の使い方まで整理し、導入前に迷いやすいポイントに答えます。

公開2026.07.24
最終更新2026.07.24
読了 14 分 / 約5,800
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AI × 業務活用AquesTalkとは|ゆっくりボイスの使い方・ライセンスを解説

AquesTalkとは

01.結論:AquesTalkはどんな人に向くか

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AquesTalkは、「ゆっくり実況・解説」らしい合成音声にこだわって動画を作りたい人に向いています。VOICEVOXのようなキャラクター性の強い声ではなく、独特の平坦なイントネーションを持つ「ゆっくり」文化そのものの元祖の声質が使えるのが最大の特徴です。まずは、代表的な用途ごとに向くかどうかを整理します。

やりたいことAquesTalkでの対応
昔ながらの「ゆっくり霊夢・魔理沙」の声で動画を作りたい◎ AquesTalk1の声質がまさにその元祖
個人の非営利用途で無料で試したい◎ 個人・非営利なら無料で利用できる
広告収益を得る動画に使いたい○ 年間6,380円(税込)の商用コンテンツ向けライセンスが必要
多言語での音声生成・ボイスクローニングをしたい× 日本語の規則音声合成エンジンで、対応していない

ここから、AquesTalkの成り立ち、製品の種類、使い方、そして特に間違えやすいライセンスの境界線まで詳しく見ていきます。

02.AquesTalkとは|開発の経緯と「ゆっくり」の起源

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AquesTalkは、株式会社アクエストが開発・提供する組み込み用の規則音声合成エンジンです。2006年5月に最初のバージョン(AquesTalk1)が公開され、「8bit CPU・RAM 500byte・ROM 23KB」という極小の動作環境でも動く超小型・軽量設計が特徴です。人の声を録音して繋ぎ合わせるのではなく、パラメータを人手で調整して声を作る「規則音声合成」という方式を採っており、実在の人物の声ではありません。

「ゆっくり」という呼び名の起源は、2008年頃にニコニコ動画の格闘ゲーム制作ツール「MUGEN」の実況動画で、AquesTalk1の合成音声がキャラクターの声として使われ始めたことにあります。ASCIIアートのキャラクター「ゆっくりしていってね!!!」と結び付いて広まり、AquesTalk1の女性ボイス「F1」が「ゆっくり霊夢」、追加された「F2」が「ゆっくり魔理沙」として定着しました。ゲーム実況・乗り物解説などをAquesTalkベースの合成音声で読み上げる動画は「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」と呼ばれ、10年以上続く動画文化になっています。

03.主な製品|AquesTalk1・2・10とAquesTalkPlayer

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AquesTalkの製品ラインアップは、開発時期の異なる3つのエンジンで構成されています。

エンジン初出特徴
AquesTalk12006年「ゆっくり」の元祖の声質。2025年4月に19年ぶりのメジャーバージョンアップを実施し、新声種「F3」の追加や明瞭性を改善
AquesTalk22010年音声データを入れ替える設計で、複数の声種に対応
AquesTalk102017年最新世代。16kHzでより明瞭・高音質、パラメータ調整の幅も広い

これらのエンジンを個人でも扱いやすくまとめたのが、公式アプリのAquesTalkPlayerです。3つのエンジンの全声種と、漢字仮名混じり文をそのまま読み上げるためのAqKanji2Koe-Aエンジン(約36万語の辞書と、ユーザー辞書機能)を1本のアプリにまとめており、Windows・Mac両対応、コマンドラインからの一括変換にも対応しています。

04.使い方|AquesTalkPlayerで音声を作る

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AquesTalkPlayerで読み上げ音声を作る基本フロー
1AquesTalkPlayerを入手する

公式サイトからWindows・Mac向けアプリをダウンロードする

2エンジンと声種を選ぶ

AquesTalk1・2・10の中から、作りたい声質のエンジンと声種を選択する

3テキストを入力する

読み上げたい文章(漢字仮名混じり可)を入力する

4音声を生成してWAV書き出し

生成した音声を再生して確認し、WAVファイルとして書き出す

書き出したWAVファイルは、動画編集ソフトに読み込んでセリフとして使う流れが一般的です。ゆっくり実況・解説動画をまとめて作る場合の具体的な組み合わせは、07章で扱います。

05.ライセンス|個人利用は無料、収益化には年間ライセンスが必要

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AquesTalkを検討するときに最も間違えやすいのが、このライセンスの境界線です。公式の個人利用ライセンスによると、個人が直接・間接を問わず営利を目的としない場合に限り無料で利用でき、学校・会社での利用や個人事業は対象外です。

一方、商用コンテンツ向けライセンスは年間6,380円(税込)で、ライセンス証発行日から1年間有効です。公式が挙げる具体例には、広告付き動画投稿での使用、合成音声を製品に組み込んで販売する場合、店舗内での商品説明用、法人(学校含む)による動画制作が含まれます。ライセンス期限が切れると新しいコンテンツは公開できませんが、期限内に公開済みのコンテンツは引き続き公開できます。価格・対象範囲は変更されることがあるため、購入前に公式ストアページで最新の条件を確認してください。

ライセンスを検討する前に確認したい点
  • 自分の使い方が「営利目的」に当たるかを確認する:広告付き動画への使用、会社・学校・個人事業での利用は無料の個人利用の対象外
  • 収益化を始めるタイミングでライセンスを取得する:既に収益化している動画がある場合は早めに検討する
  • 使うエンジン(AquesTalk1・2・10)を含めて、ライセンスの対象範囲を確認する:商用コンテンツ向けライセンスはAquesTalk1・2・10・AqKanji2Koeのすべてが対象

06.SofTalkのAquesTalk対応終了と、今の使い方

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長らく「ゆっくりボイス」の入口として定番だった無料ソフト「SofTalk」は、2022年7月にAquesTalkとのライセンス契約が折り合わず、AquesTalkへの対応を終了しました。SofTalk自体は現在も配布されていますが、AquesTalk以外の音声エンジンのみが対象で、ゆっくりボイスを作ることはできません。

そのため、現在AquesTalkの声を直接扱うには、公式のAquesTalkPlayerを使うのが基本になっています。SofTalkのような古いソフトの情報を参考にする場合は、AquesTalk対応が終了した2022年7月以降の情報かどうかを確認してください。

07.ゆっくり実況・解説動画を作るには

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AquesTalkPlayerで書き出した音声だけでも動画に使えますが、立ち絵・字幕・BGMまでまとめて扱いたい場合は、「ゆっくりMovieMaker4(YMM4)」のような専用の動画編集ソフトと組み合わせるのが一般的です。YMM4はAquesTalkだけでなくVOICEVOXなど複数の音声エンジンに対応しているため、無料の範囲で完結させたい場合はVOICEVOX、昔ながらの「ゆっくり」の声質にこだわりたい場合はAquesTalk(ライセンス確認のうえ)、という使い分けが可能です。YMM4自体のライセンス体系はAquesTalkとは別の話なので、導入前に公式サイトで最新の条件を確認してください。

08.他の音声生成AIとの違い

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AquesTalkは「ゆっくり」文化の元祖という唯一無二の声質を持つ一方、パラメータで声を作る規則音声合成のため、ElevenLabsのような自然な多言語音声やボイスクローニングには向きません。声質そのものより完全無料での商用利用を優先するならVOICEVOX、多言語対応や自分の声の複製が必要ならElevenLabsのように、目的によって向くツールは変わります。ElevenLabs・Murf・Descript・国内ツールを含めた目的別の比較は、次の記事で整理しています。

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AI音声生成・TTS比較|ElevenLabs・Murf・Descript・OpenAI・国内ツール

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09.よくある質問(FAQ)

AquesTalkとは何ですか?

株式会社アクエストが開発・提供する、組み込み用の規則音声合成エンジンです。2006年5月にAquesTalk1が公開され、2008年頃にニコニコ動画のMUGEN実況で使われ始めたことから「ゆっくりボイス」と呼ばれるようになりました。現在はAquesTalk1・AquesTalk2・AquesTalk10の3系統が提供されています。

ゆっくりボイスは無料で使えますか?

個人が営利を目的としない範囲であれば無料で使えます。ただし広告付き動画への使用、会社・学校での利用、個人事業での利用は「営利目的」とみなされ、年間6,380円(税込)の商用コンテンツ向けライセンスが必要になります。収益化していない個人の動画投稿であれば、無料の個人利用ライセンスの範囲内です。

YouTubeで収益化しても大丈夫ですか?

広告収益を得る場合は「営利目的」に該当するため、年間6,380円(税込)の商用コンテンツ向けライセンスが必要です。ライセンスなしで収益化動画に使い続けると規約違反になるので、収益化を検討する段階でライセンスを取得してください。

SofTalkはもう使えないのですか?

SofTalk自体は引き続き配布されていますが、2022年7月にライセンス契約が折り合わず、AquesTalkへの対応を終了しています。そのため現在SofTalkで作れるのはAquesTalk以外の音声のみで、ゆっくりボイス(AquesTalk)を使いたい場合は公式のAquesTalkPlayerなど、AquesTalkを直接扱えるソフトを使う必要があります。

AquesTalk1・2・10はどれを選べばいいですか?

昔ながらの「ゆっくり霊夢・魔理沙」の声質にこだわるならAquesTalk1、より明瞭で聞き取りやすい音質を求めるなら最新のAquesTalk10がおすすめです。AquesTalk1は2025年4月に19年ぶりのメジャーバージョンアップを迎えており、新声種の追加や明瞭性の向上が行われています。AquesTalkPlayerでは3系統すべてを1本のソフトで切り替えて試せます。

VOICEVOXとの違いは何ですか?

最大の違いはライセンス体系です。VOICEVOXは商用利用も含めて完全無料(要クレジット表記)なのに対し、AquesTalkは個人の非営利利用のみ無料で、収益化や法人利用には年間ライセンスが必要です。音声の個性という点では、AquesTalkは「ゆっくり」文化そのものの元祖の声質、VOICEVOXは「ずんだもん」のようなキャラクター性の強い声という違いがあります。

ライセンスを払わずに使うとバレますか?

検知の仕組みは公表されていませんが、「バレるかどうか」で判断するべき問題ではありません。ライセンス自体は年間6,380円(税込)と高額ではなく、収益化・法人利用の条件が明確に定められています。無断使用は単純な規約違反であり、収益化を始めるタイミングで正規にライセンスを取得するのが安全です。

Macでも使えますか?

AquesTalkPlayerはWindows・Mac両方に対応しています。またAquesTalk1のAndroid版も2025年4月に公開されており、デスクトップ以外の環境でも扱える幅が広がっています。

10.音声生成AIを業務に組み込む

AquesTalkは個人利用なら無料で始められる一方、収益化や法人での利用にはライセンス条件の確認、使用するエンジンの選定まで含めた設計が必要になります。

弊社では、AIをフル活用した業務の仕組みづくりを、要件整理からツールの選定・実装・運用まで伴走して支援しています。音声生成AIをコンテンツ制作や業務のどこに組み込むかでお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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澤田 翔太(Shota Sawada)
この記事を書いた人

澤田 翔太

株式会社クリプタル 代表取締役

1988年生まれ、慶應義塾大学卒。創業メンバーとして関わった株式会社セールスサポートを株式会社ネオマーケティング(東証STD 4196)に売却。株式会社クリプタルでも複数の事業立ち上げと売却を経験し、2022年9月には婚活・恋愛メディア「シッテク」「婚活会議」を株式会社ベビーカレンダー(東証GRT 7363)へ売却。現在はAI業務支援事業、TANTOU事業、グロースハック支援事業、メディア事業、SEOコンサルティング事業を手がける。